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コミコスって?

『コミケコスプレコミュニティ』開始にあたってのごあいさつ

コミックマーケットは、今年夏のコミケット84から『コミケコスプレコミュニティ』を開始します。
これは、コミックマーケット準備会(以下、準備会)がCircle.msと連携して提供する、コミケットでコスプレを楽しむ参加者を支援するWebサービスです。

コミケットにおけるコスプレ、それに伴うコスプレ撮影は一般参加者、サークル、企業、準備会スタッフといった参加形態を問わず、全ての参加者に開かれた表現活動です。
コミケットはコスプレを、同人表現(冊子、電子メディア等)や企業の販売物による表現と併せて、参加者による「身体表現」として位置付け、表現の可能性を追求し、その自由を守っていきたいと考えています。

実際、コミケットではここ数年をかけ、コスプレに関する禁止事項・禁止行為の緩和やコスプレエリアの拡張、更衣室への先行入場などを通じ、コミケットにおけるコスプレの発展を支援する活動に取り組んできました。
今回の『コミケコスプレコミュニティ』もこうした取り組みの延長線上に位置するものです。

コミケットは表現者と受け手をつなぐ「場」です。
どの表現者が、会場内のどこに配置され、どのような表現を行っているかという情報提供は、こうした「場」が有すべき基本的な機能です。

サークルの場合はそれが「カタログ」なわけですが、コスプレの「カタログ」を作ることは困難だと思われてきました。
それは、配置場所が固定されているサークルとは違い、コスプレイヤーは様々な場所でコスプレを行うからなのですが、コミケット84から正式スタートした『コミケWebカタログ』のようなWebサービスの形であれば実現できる、という結論に至りました。
『コミケコスプレコミュニティ』はコスプレにとっての「カタログ」となることを目指し、コスプレイヤーと撮影者、またコスプレイヤー同士をつなぐためのメディアとなることを、第一の目的とします。

これまでのコミケットでは難しかったお目当てのコスプレイヤーを探すこと、比較的空いているコスプレエリアを見つけること、仲間同士が「合わせ」を行う場所を告知すること……『コミケコスプレコミュニティ』の活用によってこうしたことが可能になり、コミケットはコスプレイヤーや撮影者にとって、より参加しやすい場になることでしょう。

第二の目的は、現在の「3日間」という時間的制約、「会場」という空間的制約からコスプレという表現を解放することです。
同人誌という「実体」を伴う表現とは異なり、コスプレという身体表現は、当日その場でしか見ることができません。
もちろん、会場で行われる「コスプレ」と、それを撮影した「コスプレ写真」は異なるものです。

しかし、『コミケコスプレコミュニティ』での写真公開を通して、コミケットに来られなかった人や、当日に出会えなかった人にも、各々のコスプレ表現やコミケットにおけるコスプレの様子を知ってもらったり、感想を伝えたりすることができます。
また、コスプレイヤーのみなさんは衣装の準備に膨大な時間をかけていることかと思いますが、その準備状況を日々公開することによって、メイキングストーリーという新しい表現も生まれるかもしれません。

そして、第三の目的として『コミケコスプレコミュニティ』はコスプレ文化にとっての「アーカイブ(書庫)」となります。
同人誌については、コミケットは第一回から見本誌を回収し、資料として保存しているのですが、コスプレ「身体表現」であるがゆえ、その時々のコスプレがどのような状況であったかはあまり残っていません。
日本のコンテンツ産業における同人文化の位置付け、そしてそこに占めるコスプレの重要性を鑑みると、この状況は決して望ましいこととは言えず、何らかの形で対策を講じる必要性を感じてきました。

『コミケコスプレコミュニティ』にコスプレイヤーが写真を公開することで、文化としてのコスプレの記録を後世に残していくことができると考えています。

具体的な機能としては「当日のコスプレ予定(衣装・エリア)の公開」「コスプレエリア・更衣室の混雑状況の共有」「撮影者からコスプレイヤーへの写真プレゼント」「他コスプレSNSサイトとの連携」といったことを予定しています。
将来的には、更衣室のさらなる混雑緩和に向け、コスプレ事前登録等の機能拡張も視野に入れていますので、コスプレイヤーや撮影者のみなさんからのご意見をお待ちしています。

コミケットは全ての表現者にとって「ハレの日」であることを願っています。

同じコスプレイヤーが、同じ場所で、同じ衣装を着たとしても、同じ身体表現は二度と見ることができません。
『コミケコスプレコミュニティ』がコスプレイヤーや撮影者のみなさんにとって、かけがえの無い一日の欠片を記録し、共有し、互いに新しい表現の誕生を祝い合うためのプラットフォームになることを、願ってやみません。
積極的な活用をよろしくお願いします。

2012年10月4日
コミックマーケット準備会共同代表 安田かほる・筆谷芳行・市川孝一

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