Animecon

イベントURL
http://2016.cami.org.il/
主催団体
AMAI(Anime and Manga Association of Israel)
次回開催概要
イスラエル・エルサレム
ICC - Israeli Convention Center
2017年8月予定
参加者数
3,000人

イベント情報(概要)

CAMI(Convention of Anime and Manga in Israel)はAMAI(Association of Manga and Anime in Israel)によって毎年夏に開かれるイベント。
イベントは丸一日かけて開催される。AMAIはアニメと漫画のファンによるファンのために組織された団体であり、CAMIの他に春にもHaruconと呼ばれるイベントを開催している。

CAMIでは、大規模なコスプレ大会やアニメの上映会、有志によるミュージカルの上演や、
学術的な研究発表など幅広いイベントが行われる他、同人作品販売ブースからビデオゲームやボードゲームの対戦スペースも設けられている。

主催者メッセージ

"We're glad to have 3000 visitors to our event. Our community here in Israel expands and we see it with the increase of people who volunteer to make this event as great as it is. We hope in the future to improve our relation with the international community"

今年3000人の参加者を迎えられたことを嬉しく思います。イスラエルのアニメファンコミュニティは拡大しており、 ボランティアスタッフも増加してイベントをより素晴らしいものにするため尽力してくれています。
今後、私達と他国のアニメファンコミュニティとの関係をより深めていけたらと思います。

訪問記

イスラエルの首都であるテルアビブからバスに揺られること一時間。キリスト教・イスラム教、 ユダヤ教という三つの宗教の聖地にあたる歴史都市エルサレムで、毎年夏に開かれるアニメイベントがCamiです。

イスラエルのアニメイベントは、AMAIという団体によって4月のHaruconと8月のCami、年二回行われています。 Haruconがユダヤ教の祝日に当たるため学生も社会人も休みで多くの人が来場するのに比べ、平日開催のCamiへの参加者は比較的少なめだそうです。 それでも第8回目に当たる2016年のCamiには、3000人を超える参加者が集まりました。


Camiのイベント内容は主にコスプレ・舞台パフォーマンス・物販・Artist Alley(同人ブース)、そしてパネル講演。 今回はそのパネル講演のプレゼンターとして参加した経験をもとに、イスラエルのアニメイベントの実情をご紹介したいと思います。

参加者

Camiの会場では軍服を着て銃を肩から下げた若者の参加者を沢山目にします。実は彼ら、ミリコスをしているわけではなく、 男子三年女子二年の兵役義務のあるイスラエルで軍役に服しているれっきとしたイスラエル国防軍の方々。 アニメイベントに参加したいがために、午前の兵務を終えてすぐに会場に駆けつける若者も多いとか。

参加者の男女比は半々ほど。年齢層は15歳?30歳と幅広く、ベテランのアニメファンも多く来場していました。 人種対立でも知られる同国ですが、アニメイベントに来るのは、宗教や人種にあまりこだわらないリベラルな人々が多いので、 ユダヤ人だけでなく、アラブ人の参加者もいるそうです。

パネル講演

Camiでは、アニメを学問的に研究するパネル講演が非常に充実しています。
例えば今回のイベントでは、ヘブライ大学教授の江戸文化についての講演の他、一般参加者から選ばれたプレゼンターによる 「アニメMV “Me! Me! Me!” に見る現代日本の援助交際の実態」「アニメに描かれる狐の表象」それから「Yaoiの歴史」など、非常に興味深い発表が行われていました。 もっとも、全てヘブライ語だったため、自分はのちに登壇者から英語で内容を解説してもらう必要があったのですが。参加者も、文化的教養の高い方が多いと感じました。

私自身は「現代日本のファンカルチャー」と題して、応援上映や、痛バッグ、また日本独自の同人文化などについて一時間ほど英語で話をしました。

朝一番だったにも関わらず会場は満席、講演後には参加者の方々が温かな声援と拍手を送ってくれました(ちなみに講演内で一番好評だったのは、 アイドル文化とアニメの関係の話、それからKing of Prism応援上映の再現でした)。

ブース紹介

物販ブースには約30、同人ブースには約15のブースが出展していました。
同人ブースで扱われていた作品は、おそまつさんや刀剣乱舞、モブサイコ100など、最近のトレンドに非常に敏感な印象。 また、ゲームエリアでは将棋や囲碁を楽しむ人々の姿も見られました。

コスプレ

イスラエルのコスプレイヤーさんは、自分でイチから衣装を作るDo it yourself精神に則った方が多く、衣装のクオリティも非常に高かったです。

イスラエルのアニメ事情

Comikazaという漫画販売店が、首都テルアビブとラマッラーという都市にあります。参加者は基本英語に堪能で、アニメや漫画も英語で楽しむ人が多いようです。
また、コスプレイヤー御用達の繊維街も、テルアビブやエルサレムにあり、民族系の独特なパターンや素材の生地を手に入れることができます。


作品としては、中東風の世界観を持つマギなどの人気が高い他、「ラブライブ!」「僕のヒーローアカデミア」「Gangsta.」など、 比較的新しい作品からマイナーな作品まで幅広く楽しまれています。

所感

イスラエルのアニメイベントCamiは、非常に洗練されたイベントだという印象を受けました。
また、同じ文化を愛する者同士、人種や宗教を超えた交流の場になっている側面があるとも感じました。
Camiに訪れる旅程の途中、パレスチナからの難民の方が多く暮らすヨルダンのアニメファンの方とも面会したのですが、 そこでは、両国の対立の中でも、愛する対象を通じた対話の可能性を垣間見たように思います。

中東のアニメを愛する全ての人々の集いの場としての「Cami」、そのますますの発展を、楽しみにしています。

筆者:Pashimo

中東やバルカン地域でアニメが異なる民族・宗教の人々を繋ぐ場面を目にして以来、「アニメで世界を平和に」の志を胸に世界を巡る。
アニメ業界の一端でコンテンツの海外輸出に携わる傍ら、コスプレイヤー・同人作家・シナリオライターとしても活動。IOEAサポートメンバー。
海外アニメイベント探訪ブログOtaku Crossing!運営:http://otakucrossing.com/

参加メモ

日本からの距離

イスラエル・テルアビブまで乗り継ぎ便にて約16時間
テルアビブ?エルサレムはバス・ないし電車で1時間?1時間半。
エルサレムの中央バスターミナルから会場までは徒歩3分。

参加するには

●基本情報
Cami Webサイト(2016年度版):http://2016.cami.org.il
●会場
会場:ICC Israeli Convention Center
http://iccjer.co.il/Index.aspx?l=2
●入場にはチケットが必要です
チケットの購入が必要です。
オンラインでの前売り券を買うか、当日会場入り口で当日券を購入する形になります。
一般入場券は55NIS(=約1500円)です。
●コスプレについて
コスプレ用の追加登録料などはかかりません。
更衣室は基本無く、自宅やホテルから着てくるか、会場内に多数あるトイレで着替える形になります。
イベント内には、コスプレの衣装直しコーナーや、プロによる撮影コーナーなども用意されています。
●Camiについて知る
開催団体AMAIの公式ホームページ
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