Comicup

イベントURL
http://www.yaca.cn/
主催団体
YACA委員会
次回開催概要
未定

イベント情報(概要)

YACAは、年に4回中国・南方の広州にて、アニメ・マンガファンクラブYACA委員会によってファンのために開催されるイベントです。初開催は2000年、平均2日間行われ、中国南部で最大の規模を誇ります。

サークル参加は毎回約300スペース、中国国内で5位に入る規模です。多様なイベントが会場内で開催され、参加者は様々な企画に参加することができます。毎回国内外から著名なゲストが招かれていることも、このイベントの特徴の一つです。

訪問記

世界経済を牽引する都市となった広州の同人イベント

国際金融都市・香港。世界一のカジノ都市・マカオ。IT企業やデジタル製造業が集積するイノベーション都市・深セン・東莞。こうした世界的競争力を持つ都市が集積する広東省及び華南地域の中心を担うのが広州だ。中国政府が特に熱を入れて開発をするこの珠江デルタは、香港から広州を結ぶ高速鉄道と、香港と澳門・珠海を結ぶ港珠澳大橋が2018年に開通したことによって、東京を抜いて人口4000万人という世界一の都市圏へと変貌を遂げた。

中国南部の嶺南文化や古来より続く貿易により西洋文化が融合し、また政治の中心である北京から離れていることもあり、広州は開放的・革新的でありながら、飾らず気取らず独特のおおらかさを持つ気質のようだ。そうした土壌の中で広州のACG(アニメ・コミック・ゲーム)文化は育まれ、中国の中でも特に熱気高まるエリアとなり大規模なイベントが競うように開催されている。コンベンションよりは同人誌即売会の側面が強いYACAは日本からの参加ハードルも低く、開催頻度は年4回で、2日間開催と1日間開催のものがある。今回は2018年8月に出展した際の様子をお届けしたい。

同人ブース

会場1階は同人ブース、企業ブース物販、飲食など。同人ブースは約250で、同人誌・グッズ・ゲームなどを頒布するサークルが並び、風景は日本の同人誌即売会とほとんど変わらない。飲食ブースは日本の縁日を再現した屋台が軒を連ね、水風船釣りや「種子島名物」と銘打たれた射的があるなど盛大に賑わっていた。サークル参加すると食べ物を無料で引き換えることもできて、細かい気配りがうれしかった。 サークルには他に飲み物として香港の維他(Vita)レモンティーも配布されたが、会場内をよく見るとそのイメージキャラクタまでいる!(香港では見かけないのに)

企業・イベントスペース

会場の2階は企業ブースとイベントスペースとなっており、字幕動画サイトのビリビリ動画や日本企業ではワコムやキヤノンなどが出展。イベントスペースでは30分おきに演目が組まれ、ライブやコスプレダンスなどで盛り上がりは最高潮に。

ちなみに、2018年10月に参加した際は、オレンジのシェア自転車をたくさん並べてパーテーション代わりに使う姿も見られ、日本ではまず見られない風景に中国らしさを感じた。

コスプレ

アトリウムや屋外はコスプレ会場となり、Fateシリーズ・はたらく細胞・ポプテピピックなど日本のアニメ・マンガ・ゲーム作品のコスプレから、凹凸世界・アズールレーン・ドールズフロントラインなど中国発のタイトルまで幅広く見ることができる。衣装はタオバオで安価に購入してカジュアルに参加するコスプレイヤーから、衣装を作り込み本格的な合わせを行うグループまで幅広く、撮影は日本のように一列に並ぶ習慣はないので気楽だ。

参加登録やカメラ登録は不要だが、会場内に更衣室や手荷物預け場所はないため、コスプレをする場合は自宅やホテルから着替えて参加する必要がある。地下鉄駅ではコスプレしたまま電車に乗り、飲食店でメイクをする人も多く、日本なら確実にマナー違反と糾弾されて干されるところだが、中国では「いつもの風景」といった感じで特に混乱もなく、その寛容性には唸らせられる。

アクセス

日本から中国の広州までは、東京・中部・関西に直行便が就航しており、東京からはJAL・ANA・中国南方航空で4~5時間。深センや香港から高速鉄道や長距離バスを利用することも可能。会場は広州南豊国際会展中心となり、広州地下鉄8号線琶洲駅から徒歩5分ほど。

LCCが多数就航する香港国際空港は日本から2万円程度で往復でき、深夜早朝便を利用すれば土日強行も可能。香港から広州へは、紅ハム駅から出る広九直通列車で広州東駅まで2時間。開通したばかりの広深港高速鉄道を使うと西九龍駅から1時間程度だが、郊外の広州南駅から中心部まで地下鉄に乗り継ぐ必要があるため一長一短だ。イベントのついでに、香港→深セン→広州→マカオ→香港といった感じで珠江デルタエリアを周遊するのもオススメだ。

筆者:かずぴー

WEBサイト&サークル「さざなみ壊変」を運営。
アイマスを始めとするゲーム、アニメ、マンガの舞台探訪や、艦これに関連した第二次世界大戦の戦跡&現存兵器探訪で世界を巡る→まとめた本を各国の同人誌即売会で頒布するため再び世界へ→次の取材→……のループに取り組んでいる。

さざなみ壊変:http://sazanami.net/

参加メモ

●日本からの距離
東京、中部、関西から直行便で4~5時間。香港や深センから高速鉄道やバスも可能。
●都市の紹介
高さ600mを誇る広州タワーや繁華街の北京路歩行街など、広州地下鉄と徒歩を中心に観光可能。『詩季織々』や『実験品家族』といった作品にも街並みが登場している。
●海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_009.html
●参加するには
公式WebサイトまたはCPP無差別同人駅から申込み。日本語スタッフによるサポートあり。
●参考サイト
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2018/02/a3746d3337158e17.html
●会場名&会場サイト
広州南豊国際会展中心
●コスプレについて
更衣室はないため自宅やホテルから着替えていく必要がある。
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