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イベント情報(概要)
CONNICHI(今日)は、ドイツ・カッセルで行われる漫画とアニメのコンベンションです。主催するAnimexx e.Vはドイツ最大のマンガ・アニメファン団体で、オンラインでの活動や、ドイツ各地でのファンミーティングを数多く開催しており、
CONNICHIは年に一度の集大成イベントとなっています。イベントではコスプレコンテスト・各種販売に加え、様々なパネルセッションによる研究発表など多彩な催しがおこなわれ、共通の好みをもつ多数のファンが出会う場となっています。
訪問記(2014年9月 CONNICHI 2014)
2014年9月、今回はいつものコミケファンAさんではなく、Aさんの友人Bさんとのドイツ旅となった。Bさんとは昨年10月のスペイン・バルセロナ「サロン・デル・マンガ」以来のオタクイベントへの一緒の参加だ。
ドイツ・カッセル。ドイツ中部の緑豊かな人口20万人ほどの街で、そのオタクイベント「Connichi」は毎年開催されている。今年で13回目の開催になる。
私自身、ドイツに来るのは2008年以来。6年ぶりのドイツで、ドイツでの初めてのオタクイベント参加だ。どんなオタクと出会えるのか、楽しみでならなかった。
「Connichi」は、とてもアットホームなイベントだった。来場者数は3日間で、約2万人。展示場と隣接するホテルによる会場だけでなく、隣りの公園の芝生の上も、ピクニック状態のコスプレイヤーでいっぱいだった。
コスプレピクニック! まるで、マネの有名な絵「草上の昼食」のモデルがコスプレイヤーになったような状態だった。ビニールシートに座ってオタク談義に花を咲かせる人、撮影会状態の人、ソーセージをほおばる人、寝転がる人……流れる空気は自由そのもの。冬の気配が近づいてきた秋の休日を、みな思い思い楽しんでいた。
会場の中には、同人コーナーも設置されている。同人作家は女子が圧倒的だった。
Connichiの会場を歩いて感じるのは、その素朴さ。
大なり小なり、アニメやマンガのファンイベントでは、アニメやマンガの関連商品の物販が行なわれ、それはもちろんイベントの継続には重要なポイントにもなってくる。
海外には日本のように、秋葉原や池袋、中野のような恒常的な巨大オタクスポットがあるわけではない。ここに来れば、自分がほしいと思っていたものをチェックできて、購入できる海外のオタクイベントは、秋葉原の代わりとなる場所でもあるのだ。
また、主催者にとっても、オタクイベントを運営維持していくためには、出展者からの出展料も大切な収入源になる。
Connichiでも物販スペースはかなりの面積を示していたが、それでもここでは海外の他のイベント以上に、イベントが始まった当初の素朴さを感じることができた。
コミケファンのAさんやBさんが世界のオタクと友人になりたいと思っているのと同様、ここはオタク同士のリアルな出会いの場でもあるのだ。
海外のオタクたちの日常のコミュニケーションや活動は、ネットを中心に形成されている。そんな彼らが、1年に一度ないし数回、みなで集まる場所。オタクイベントは、巨大なオフ会でもあるのだ。
日本のアニメやマンガ、ファションやアイドルが好きで好きでしかたがないオタクたちが、まっすぐな気持ちを持って集まる場所。
市街地から離れたコンベンションセンターではなく、Connichiのように街の中心部で開催されているオタクイベントに参加すると、周辺住民にもこうした想いが暖かく迎えられていることがよくわかる。日本風にいえば、彼ら彼女たちがとても"いいやつ"たちであることが、そこで暮らす、働く人たちにもよく理解されているからなのだ。
「好き」という想いが超えていくもの。それを海外のアニメイベントに参加すると、ひしひしと感じる。
最終日夕方、ひとりまたひとりとオタクたちが家路につき、会場周辺を歩いている人影もまばらになってきた。
ハグをして別れを惜しむ若者たち。明日からは、またいつもの日常が始まる。でも、だからこそ彼らは、この1年一度のイベントを大事に育ててきたのだろうなということも実感できた。
またいつかここに戻ってきたい。Bさんも私も想いは同じであったろう。
筆者:櫻井孝昌
コンテンツメディアプロデューサー、作家、デジタルハリウッド大学・大学院特任教授。世界25カ国のべ130都市以上で文化外交活動を実施中。外務省の各種有有識者会議委員等も歴任。2009年度外務省が委嘱した「カワイイ大使」のプロデューサーもつとめる。アニメやファッション、音楽等Japan Pop Cultureを用いた文化外交のパイオニア的存在。世界各国の日本イベントにゲストとして招かれることも多い。『日本が好きすぎる中国人女子』『世界カワイイ革命』『アニメ文化外交』ほか著書多数。新聞、Webマガジン等での各種連載、ラジオパーソナリティも。
Twitter:@sakuraitakamasa
参加メモ
日本からの距離
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最寄りのドイツ・フランクフルト空港へは、羽田、成田、中部、関西の各空港から直行便が出ています。
また、フランクフルト空港からカッセルまでは、ドイツ国鉄のICE(新幹線)を利用します。
羽田空港からフランクフルト空港:約12時間
フランクフルト空港からカッセル:約1時間半 -
外務省海外渡航情報 フランクフルト:
http://www.anzen.mofa.go.jp/manual/germany.html
参加するには
- ●基本情報
- Connichi(日本語訳:コンニチ)
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Connnichi Webサイト(日本語ページ):
http://www.connichi.de/ja/index.html
Connichi Facebookページ:
https://www.facebook.com/Connichi - ●会場
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Kongress Palais Kassel
http://www.kongress-palais.de/
フランクフルトからのICEが停車するKassel-Wilhelmshohe駅から、
トラム4号線に乗車し、”Kongress Palais”で下車すると、目の前が会場です。
カッセルの中心地からも同じくトラム4号線でアクセスが可能です。 - ●前売り券・当日券の購入が必要
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前売り券はコンニチのホームページからオンラインで購入することが可能です。
また、当日会場で当日券を購入することも可能です。
当日券の場合、3日間の通し券は65ユーロ
1日券は、金曜・日曜が30ユーロ、土曜が40ユーロです
(2014年の場合) - ●コスプレについて
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多数のコスプレイヤーが自宅・ホテルから直接参加しています。
更衣室は男女別に用意されております。 - ●Connichiについて知る
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以下ページに、過去のコンニチの開催履歴およびゲストが掲載されています(日本語)
http://www.connichi.de/ja/archiv.html