イベント名

イベントURL
http://www.sakuracon.org/
主催団体
Asia-Northwest Cultural Education Association (ANCEA)
次回開催概要
「Sakura-Con 2014」
2014年4月18~20日 米国ワシントン州シアトル
会場:Washington State Convention Center
参加者数
2万人以上(総合出展数160以上)

イベント情報(概要)

 サクラコンは米国北西部でもっとも歴史の長いアニメコンベンションで、同地域では現在最大です。1998年に設立した当コンベンションは当初から日本アニメ、マンガ、ゲームや文化芸術を中心にアジア文化の啓蒙を目的としております。
 現代娯楽や伝統芸能など多角的な視点からの文化

的探求と教育を特色としています。サクラコンではコンサートや来賓ゲストのパネル、ゲーム、コスプレコンテスト、上映会、伝統芸能の演舞や展示、そして第三者によるアニメ関連のグッズ販売を含めた販売会などを楽しめます。

主催者メッセージ

 日本を知れば知るほど、日本文化の創造的で多角的な面を広く紹介したく日本ファンのフランス人が始めたイベントです。
 西洋でも日本に対する熱い思いをファン同士で共有する手段としてコスプレ又は同人誌めいたものからセミプロによる雑誌創刊などがありました。

 全て日本への熱狂的とも呼べる強い関心に核にあり、今なおJapan Expoはこれに基き創造性を持つ人々の交流の場となっています。
 ファンサークルとの交流が参加者の動機とする証言が多い事からも日本のイベントと大きな共通点があるといえるでしょう。

訪問記(2013年3月 Sakura-con 2013)

 今年2013年3月29日から30日まで西海岸北部のシアトルで開催されたサクラコンに参加した。
 巷間ささやかれる、北米に於ける日本アニメ・マンガを廻る不況はここではまった垣間見られない。シアトルのダウンタウンの一部をコスプレイヤーが占拠しているように思えるほど膨大のファンがサクラコンの開催されているコンベンションセンターに詰め掛けていた。
 そんな光景を邪険にするどころか、地元は非常に寛容で、彼らを喜んで向かい入れているようだ。滞在するホテルに到着して、私が最初に見たのはロビーに設置された「サクラコンへようこそ」の立て看板だった。
 北米での日本のアニメ・マンガブームは終焉を迎えていると思われがちだが、アニメ・コンベンションと呼ばれアニメ・マンガファンの集客数は増える一方である。イベントの数が減ったわけではない。全米どの州でも、都市と呼べるような大きな町であれば、必ずと言ってよいほどアニメ・コンベンションが開催されている。
 これまでアニメ・コンベンションは特定地域に根ざしていた傾向が強かったが、今年に入ってからは、違う場所で、同じコンベンションが時期をずらして開催される現象が始まった。数年前では考えられないような展開なのだ。
 アニメ・コンベンションは地域密着型イベントだ。週末のホテルや、ホテルに隣接する展示場を借り切って、アニメ・マンガ・ゲーム・音楽などの上映会・コンサート・コンテスト・展示販売ブース・ゲスト講演会や討論会・ゲーム大会・飲食を交えた交流などが行なわれる。アメリカのアニメ・コンベンションは総合的なお祭りに近い色彩を持っている。
 3日間開催されることが多く、多くの参加者は通しで参加する。コスプレ姿でホテルからそのまま会場に赴き、そのまま付近のレストランで食事する姿もめずらしくない。ハロウィンなどの仮装イベントについて免疫があるアメリカでは、イベント主催者側も地元の自治体も協調・協力することで、お互いにとって有益な集いにさせているのだ。
 シアトルは、穏和な人柄ながらも、新しい事柄に関心が尽きない、感受性が豊かな住民が多いことで有名だ。実際市内を歩き回ってみると、100年以上の歴史を一望できるような町並みを持つ一方で、下町気分を味わえる街角もある面白い都市だ。
 近隣の人口は350万人だが、シアトル自体の人口は63万人にすぎない。だが、シアトルから発祥した世界的に知られたブランドは数多くある。マイクロソフト、スターバックス、アマゾン、タリーズ・コーヒー、コストコなど。
 そんなシアトルで2万人以上集客するアニメ・イベント、サクラコンは単なる地方都市のアニメ・イベントに留まらず、しっかりした個性をもったイベントだ。
 催し物が多く、ファンとゲストの交流・ファン同士の交流をサクラコンほど楽しめるイベントは少ない。
 サクラコンの運営委員会が非常に大事にしているのはファンによるファンのためのイベントという個性を守ること。他のイベントには参加しないが、サクラコンだけには出席するという業界人も少なからず存在する。
 サクラコンは昔からコスプレが盛んであることも有名だ。参加者の1/4が何らかのコスプレを身に纏っている印象をうける。吹き抜けに設置されたエスカレーターを上部から見ると、膨大な数のコスプレイヤーが行き交いしているのが見られるのが楽しい。
 会場の大きな庭園では、コスプレイヤーたちが自由に撮影会や遊びに興じている。満開のサクラの木の下で撮影会が出来るイベント会場はアメリカでも数少ないだろう。サクラコンは毎年、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日、イースター(復活祭)の祝日に開催される。つまり三月下旬から四月中旬なのだが、シアトルに植えられている桜の開花と重なることが多い時期に開催されている。サクラの花の下で、多くのアメリカ人やカナダ人が日本のキャラクターのコスプレしている姿は絶景だ。
 日本のように手軽に同人誌が作れるわけではないアメリカでは、ファンの熱意はコスプレの形で反映されやすい。日本から特定のクリエーターが招待されると、関連作品のコスプレをきたファンが数多く現れる。
 2013年のサクラコンでは『ソード・アート・オンライン』の関係者が招待されており、登場人物アスナのコスプレイヤーが非常に多かった。『ソード・アート・オンライン』の他には、ボーカロイドと『魔法少女まどか☆マギカ』のコスプレが富みに多かった印象がある。
 コスプレの楽しみ方も多様だ。お互いの衣装を見せ合って交流や撮影会をやるだけではなく、キャラになり切った寸劇をしたり、その場に居合わせたキャラ同士でさまざまな遊びをする光景も珍しくない。
 夜には大音響のダンスパーティや「コスプレ水着コンテスト」なども開催されていた。
 日本に比べると同人誌活動はまだまだ弱いが、コンベンション会場に常設されている販売ブースには日本の作品の二次創作やオリジナル作品がかなりの数並んでいた。
 日本と異なり、同人誌よりも複製イラストやポシェットやぬいぐるみなどのグッズが多いのは特徴だが、言い換えればそれは日本の同人インフラ(印刷所・販売システム・許容的な業界の姿勢)が凄すぎるのである。逆に言えば、日本の同人インフラが少しでも北米で展開できれば、さらなるファン文化の開花をアメリカでも期待できるだろう。

筆者:兼光ダニエル真

翻訳家、近頃創作も。趣味は模型や同人誌。
Twitter:@dankanemitsu

参加メモ

日本からの距離

アメリカ合衆国シアトルまで直行便にて約9時間
アメリカ合衆国・シアトル
http://4travel.jp/os_area_city-seattle.html
外務省海外渡航情報 シアトル:
http://www.anzen.mofa.go.jp/manual/seattle.html
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=221

参加するには

●基本情報
サクラコン Webサイト(英語):
http://www.sakuracon.org/
●会場
Washington State Convention Center
https://plus.google.com/100606783086983751353/about?gl=jp&hl=ja
公共交通機関があまり整備されていないため、会場から徒歩圏内のホテルを予約されることを推奨します。
●前売り券・当日券の購入が必要
前売り券はクレジットカードを利用して決済可能(3日間通し券のみ)
https://secure.sakuracon.org/registration/index.php
(海外チケットに不慣れな方は当日券でのご入場をお勧めします)
※当日券は売り切れる可能性がありますので早めの訪問をお勧めします。ご了承ください。
また、当日入場には身分証明書が必要のためパスポートが必要となります。
●コスプレについて
当日現場での更衣室はありません。多くの方がホテル・自宅からコスプレのまま移動・参加されております。
●Sakura-conについて知る
Sakura-Con Archives(英語)
http://www.anglcon.com/sakurahistory/
Sakura-Con Newsletter(英語)
http://www.sakuracon.org/press/publications.php
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