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イベント情報(概要)・主催者メッセージ
バルセロナ・マンガ・フェスティバルは1995年から毎年開催されているヨーロッパ最古の日本マンガとアニメのイベントです。入場者数、出展者数、マスメディアでの注目度においても欧州第二位となっております。メディア調査会社Kantar Mediaによれば当イベントに於けるマスメディア規模は総額2,014,741ユーロに至り、報道・ラジオ・TV・インターネットによる取材は総数866となり、210,758,593人がこれらのメディア報道に接したとのことです。
主要ターゲット年齢層は若く、来場者の43%が18~35歳となっております。
第20回バルセロナ・マンガ・フェスティバルの公式ポスターは日系スペイン人マンガ家のケン・ニイムラさんが担当します。ニイムラさんは京都のギャラリーアンテナにて日本では初めての個展を開催し
ております。
当イベントでは展示館、ワークショップ、講義、討論会、コンテンスト、ゲストサイン会、ビデオゲーム室、ライブなど様々な公式プログラムが用意されています。沢山用意されたコンテストの中にはワールド・コスプレ・サミット(日本、名古屋)やユーロピアン・コスプレ・ギャザリング(フランス、パリ)、そしてユーロコスプレ(イギリス、ロンドン)のスペイン予選が含まれています。
日本の大変著名なマンガ家や日本文化の専門家を当イベントに招聘させて頂いております。2014年のゲストとして既に『DEATHNOTE』の小畑健さんや『アイ・アム・ヒーロー』の花沢健吾さんの参加を確約しておりますが、今後も様々なゲストを追加する予定です。
訪問記(2013年10月 XIX Saló del Manga de Barcelona)
スペイン・バルセロナの「サロン・デル・マンガ」の存在を知ったのは2008年のことだった。
現在、1万人以上の動員数を持つオタクイベントが世界には200を優に超えるほどあることが明らかになってきているが、当時はその事実を知るものは世界のどこにもまずいなかっただろう。
2008年、私は外務省のポップカルチャーを使った文化外交のアドバイザーをしていた。いまでは日本でもかなり知られるようになったパリのジャパンエキスポを初めて訪問したのも2008年だった。
その直前に訪問したマドリッドで、日本大使館の外交官からバルセロナの熱狂的オタクイベントのことを教えてもらった。それがサロン・デル・マンガとの出会いのきっかけである。
同年、私はサロン・デル・マンガで講演をすべく、バルセロナに向かった。
午前中、会場に着くと長蛇の列。コスプレイヤーの数の多さにはジャパンエキスポ同様、度肝を抜かれた。
サロン・デル・マンガは、書店組合がバックなので、書店と出版社のブースがたくさん並んでいる。日本のMANGAをどれだけPRできるか、売るかが大きな目的のイベントといえる。日本である程度売れているマンガほぼ全部がスペイン語になって売られているといってよい状況だった。加えて、バルセロナの公用語であるカタルーニャ語版も有名どころのマンガはほぼ存在した。
『涼宮ハルヒの憂鬱』の3人娘のコスプレイヤーにカメラを向けた。
「踊れますよ」
彼女たちはテーマソング「ハレ晴レユカイ」を、携帯電話に入れていた音源をバックにテレビアニメ同様に完コピできた。
このとき私がデジカメで撮影した動画は、帰国後たいへんな反響になった。
外務省でも
「これはほんとうにスペインなの?」
と驚かれることのほうが多かった。
いまでは世界のオタクイベントで当たり前のような光景だが、当時の私たちにはそのすべてが衝撃的だった。
さらに、ジャパンエキスポ同様に日本熱はアニメ・マンガだけではなく、ファッションにも及んでいた。
明らかに手製の日本の女子高制服風の二人組に、着ている理由を聞いてみた。
「日本の女子高生の制服は自由の象徴だと思う」
学校になんとかオシャレをしていこうという発想自体が自由だというのだ。
パリやバルセロナでのたくさんのゴスロリ女子や制服女子との出会いは、翌年外務省が委嘱するカワイイ大使へとつながっていった。
いまでは日本を象徴するキーワードとしていたるところで使われている「カワイイ」という言葉さえも、21世紀に入って世界で明らかにもっとも使われるようになった日本語であることに、私たちは気づき始めたばかりだったのだ。
バルセロナ。ガウディやピカソ、ミロといった偉大なる芸術家を産んだ地で、自分がアニメについて語る日が来るとは思わなかったが、プライベート旅行で訪問したときより、この地が急速に身近になったことは間違いない。
日本の漫画やアニメをこよなく愛してくれる若者が、ここにもこんなにもたくさんいた。
2008年春のサウジアラビア訪問から強く意識するようになった「アニメ文化外交」を強く推進していこうと改めて思った地がバルセロナだった。
サロン・デル・マンガでは、その後も2009年、2010年、2013年とゲストとして講演を実施してきた。
2013年、世界のオタクと友達になりたいコミケファンのAさんに感化された、Aさんの会社の社員Bさんと、3年ぶりに参加したサロン・デル・マンガは、会場もさらに大きな場所に移り、動員数も当時の6万人程度から10万人を超える、パリのジャパンエキスポに次ぐオタクイベントに成長していた。
だが、主催者のみなさんのオタクと日本のクリエイターを愛する気持ちにはその間なんの変わりもなかった。
2009年、スペインでは国民的な人気者「クレヨンしんちゃん」の作者臼井 儀人氏が亡くなったとき、サロン・デル・マンガで追悼展示が実施されていたことが印象的だった。
通えば通うほどイベントだけでなく、その街自体が第二の故郷のような存在になっていくのが世界のオタクイベントだ。
バルセロナ、やはりここは芸術の街なのである。
筆者:櫻井孝昌
コンテンツメディアプロデューサー、作家、デジタルハリウッド大学・大学院特任教授。世界25カ国のべ130都市以上で講演・ファッションショープロデュース等の文化外交を実施中。アニメや原宿ファッションを用いた文化外交のパイオニア的存在。世界各国の日本イベントにゲストとして招かれることも多い。『日本が好きすぎる中国人女子』『世界カワイイ革命』『アニメ文化外交』ほか著書多数。
Twitter:@sakuraitakamasa
参加メモ
日本からの距離
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スペイン・バルセロナには日本から直行便はありません。
ヨーロッパ各国からバルセロナへの直行便は多数あるので、乗継便をご利用ください。
例:フランス・パリ経由
成田空港からパリのシャルルドゴール空港: 約13時間(乗継2時間)
シャルルドゴール空港からスペインバルセロナ空港: 約2時間 -
スペイン バルセロナ:
http://4travel.jp/os_area_city-barcelona.html
外務省海外渡航情報 バルセロナ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/manual/barcelona.html
参加するには
- ●基本情報
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Salon del Manga de Barcelona
(日本語訳:バルセロナ マンガフェア) -
Salon del Manga de Barcelona Webサイト:
http://ficomic.com/inici.cfm
(カタロニア語:日本語のページもありますが更新が遅いので翻訳サイト利用してこちらの閲覧をお勧めします)
自動翻訳:
http://goo.gl/8IQDLB -
第20回Salon del Manga Webサイト:
http://manga-xx.ficomic.com/informacio.cfm
参考:第19回Salon del Manga Webサイト(2013年開催):
http://manga-xix.ficomic.com/INFO/default.cfm - https://www.facebook.com/pages/Ficomic/327447315516
- ●会場
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Fira Barcelona
https://goo.gl/maps/53CvN
バルセロナは地下鉄網が発達しており、地下鉄のL1・L3線が会場に直通となっている。
治安の問題もあるため、ホテルは会場から徒歩圏内、もしくはL1/L3線に最寄り駅があるホテルを推奨します。
(タクシーはスペイン語・カタルニア語しかほぼ通じません) - ●前売り券・当日券の購入が必要
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2014年7月現在、入場チケットの購入については情報が掲載されていません。
例年ですと1日券・4日通し券が発売されます。
スペインのチケットサイトで予約も可能ですが、当日現地での購入をお勧めします。 - ●コスプレについて
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多数のコスプレイヤーが自宅・ホテルから直接参加しています。
コスプレコンテストの出場者以外には更衣室は提供されていない模様です。 - ●Salon del Mangaについて知る
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第19回Salon del Manga 写真集:
http://manga-xix.ficomic.com/FOTOS/default.cfm
第18回Salon del Manga 写真集:
http://manga-xviii.ficomic.com/FOTOS/default.cfm